VW「トゥアレグ」の魅力はどこにあるのか ホットな高級SUV市場における競争力
360Nmもの最大トルクは2900rpmから発生。全長4815ミリ、全高1745ミリの車体には、十分すぎる力だ。アイドリング時も加速時も室内への透過音は低く抑えられていて、走行時の感覚は上質感がたっぷりある。
サスペンションは、モデルによって2通り用意されている。金属スプリングを使ったものと、エアサスペンションのもの(電動パノラマスライディングルーフとのセットで「コンフォートパッケージ」と呼ばれる)。どちらも、乗用車的な走行感覚で、ロールも適度に抑えられているため、高速道路でもカーブでも、安定して走らせることが出来る。
ステアリングホイールを切ったときの動きも素直で、ドライバーは安心感をおぼえるはず。車内は、とりわけ上級の「アップグレードパッケージ」装着モデル(686万円)では、レザーとクロームとウッドで構成されている。
しかもレイアウトは、フォルクスワーゲンの例にならって、ロジカルで機能的。ユーザー本位に作られている感がひときわ強く、気分よくいられる。これもトゥアレグの大きな魅力である。
安全装備も充実
現行モデルは、安全装備の充実も大きな眼目だ。30km/h未満での走行中に前方障害物への衝突を軽減する自動ブレーキを含む「フロントアシストプラス」。追突された場合、時速10km/h以下になるまで自動的にブレーキをかけ追突による二次被害軽減の「マルチコリジョンブレーキ」。全車速で先行車との車間および車速を自動的に調整しながら追従走行する「アダプティブクルーズコントロール」。これらが全車標準装備だ。
「アップグレードパッケージ」には、車載カメラが車線逸脱を検知すると、ドライバーに注意を促す「レーンアシスト」が備わる。加えて、30km/h以下での走行時に後方からの接近車両を検知すると、ドアミラーの専用インジケーターを点灯。車線変更時に危険を感知すると点滅で注意を促す「レーンチェンジアシストシステム」も備わる
余裕あるサイズの車体だが、都内など市街地でも使い勝手は悪くない。本領を発揮するのは、ウィンタースポーツやマリンスポーツ、はたまたゴルフのような趣味に使う時だろう。580リッターの荷室は使い勝手がよい。ブランド性にあまりよりかからず、名より実をとる賢い選択だと思う。
(文:小川フミオ)
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