新生ファミマ、看板統一で不安募る取引業者 ユニーとの9月統合に向けて浮かぶ難題

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ファミリーマートは統合後、セブンーイレブンに匹敵する約1万8000店体制になる(撮影:梅谷秀司)

「正直言って不安は尽きない。取引先が消滅するわけだからね」。サークルKサンクス向けに弁当やおにぎりなどの中食を供給する、あるベンダー企業の役員はそうつぶやく。

2016年9月に経営統合を控えるファミリーマートと、サークルKサンクスを傘下に持つユニーグループ・ホールディングス。統合後のコンビニエンスストアのブランドは「ファミリーマート」に統一され、国内店舗数は約1万8000店と、業界首位のセブン-イレブン・ジャパンに匹敵する。

取捨選択されるベンダーたち

「統合してからではなく、9月の統合までに商品や店作りを一段とよくしていかなくてはならない」。ファミマの役員たちはこう口をそろえる。そんな中で焦りを募らせているのが、サークルKサンクスに中食を供給するベンダー業者だ。

ファミマへの看板替え作業は2019年2月までの2年半で終える予定。サークルKサンクス向けベンダーとしては、この間にファミマへの供給に切り替えられなければ、大事な取引先を失うことにつながる。

ただ、既存のサークルKサンクス向けベンダー業者のすべてが、ファミリーマート向けの取引に移行できるかは不透明だ。ファミマの本多利範・商品本部長はベンダー業者の見直しの可能性について、「私の頭の中にはあるが、具体的に動くのは(5月下旬開催の)株主総会後」と話す。ユニーの佐古則男社長も「現時点で具体的な話は進んでいない」と述べるにとどまる。

こうした状況を受け、サークルKサンクス向けベンダーの中には、株主総会を待たずして動きを活発化させている業者も出てきた。あるベンダーは昨年秋から今年3月にかけ、数億円を投じて炊飯生産ラインを刷新した。「ご飯をより美味しくすることで品質を上げたい」と表向きは話すが、「もちろんファミマさんとの統合を見据えてのこと」と本音を漏らす。

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