原発再稼働の安全基準要件は随時公表へ--原子力規制委員会の田中委員長の会見詳細
国内の原子力発電所の再稼働の方向性や時期が焦点となっているが、原子力規制委員会の田中俊一委員長は3日の定例会合後の記者会見において、今年度末(来年3月末)までに再稼働のための安全基準の骨格をまとめる前に「(安全基準の)基本的な要件を随時出していって、事業者が規制を予見できるようにすることで(再稼働に向けた)早い対応ができるようにしたい」と述べ、安全基準決定後の審査の迅速化を促す意向を明らかにした。
再稼働の判断に向けた今後の段取りについては、まず規制委が安全基準の骨格(ほぼ完成形)を年度末までにまとめ、1~2カ月間かけてパブリック・コメントを募集して修正したあと、来年7月18日を最終期限として策定することが法律で決められている。その安全基準にしたがって各原子力施設の安全審査を実施し、バックフィット(新たな基準に適合するように設備を更新・改造)も含めて審査に合格した施設が再稼働の対象となる。
ただ、法制化された安全基準に電力会社が対応し、安全審査を受け、再稼働の是非が決まるまでには、炉によって2~3年以上かかる場合も想定されている。今回の田中委員長の発言は、そうした期間を極力短縮化するには、安全基準を構成する要件を随時早めに示していくことが必要との認識を示したものだ。