丸の内駅舎オープンで高まる東京駅の魅力
かつてあったホテルの魅力も残す。バー「オーク」のバーテンダーを務める杉本壽氏は、近くにわたり休館前の東京ステーションホテルのバーカウンターを守ってきた人物で、「東京駅」や「ひかり」など同店にしかないオリジナルカクテルを考案してきた。新装された店内で「バーが立派になった。ずっとここでやってきたから、またこの場所でバーテンダーをできることがうれしい」と杉本氏。こうした“伝統の味”が味わえるのは、駅舎と共に歴史を歩んできたホテル(ホテル開業は1915年)ならではの特徴だろう。

■東京ステーションホテルで半世紀近くバーテンダーを務める
杉本壽氏が再びカクテルをつくる
客室は58室から150室に増室、かつてはシングルルームが多かったが、ほとんどを2名用客室にした。1室1泊の料金は部屋数の多いパレスサイドの客室(81室、26~58平米)で3万5805円~7万6230円。最高料金の部屋はロイヤルスイート(173平米)の80万8500円。客層はビジネス客6割、レジャー客4割と見込んでおり、金田文典・東京ステーションホテルオペレーション統括支配人は、「海外での知名度を上げ、3年後には外国人客を3~4割にしたい」ともくろむ。
駅舎内には、JR東日本系列の旅行会社が運営する訪日旅行者向けの観光案内施設も設置。外国人客向けのサービスにも気を配っている。梅原康義東京駅長も「東京駅は100年前から日本の中央駅の位置づけだったが、その意味は日本人のための中央駅から世界における日本の中央駅に位置付けが変わった」と、東京駅が世界の顔としての存在だということをアピールしている。