『ボーン・レガシー』(2012年)は、マット・デイモン主演の名作シリーズ『ボーン・アイデンティティー』(02年)、『ボーン・スプレマシー』(04年)、『ボーン・アルティメイタム』(07年)に続く「ボーンシリーズ」の第4弾。最初の3作は、暗殺者として高度な訓練を受けたCIAのスパイ、ジェイソン・ボーン(マット・デイモン)が活躍するが、今回は彼が主人公ではない。(ジェイソン・ボーンはほんの少し登場するが)今回の主人公は、別の暗殺者のアーロン・クロス(ジェレミー・レナー)だ。「ボーンの遺産」という意味の題名であろうから、ジェーソン・ボーンがいなくてもよいのであろう。
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組織が保身のために自分の作った暗殺者を抹殺しようとする基本ラインは今回も変わらない。暗殺者を製造するCIAの極秘プログラム「トレッドストーン計画」と、それをさらに強化した「ブラックブライアー計画」が前作までに明らかになったが、今回登場する国防総省の「アウトカム計画」は一段とそれらを上回る。
「アウトカム計画」では、肉体と精神を強化する薬剤が使用され、暗殺者を殺人マシンにまで強化することができる。それによって生み出された殺人マシンの一人がアーロン・クロスであった。その作られた殺人マシンを一斉に殲滅させる計画が始まる。ちなみにシリーズの見どころである激しいアクションは変わらず。舞台もアラスカ、ワシントン、マニラなど世界各地で激闘が繰り広げられる。
主人公のアーロン・クロスを演じるジェレミー・レナーの少し“陰のある”演技は、この難しい世相に受けて、人気が急上昇中だ。『S.W.A.T.』(03年)の演技で注目され、『28週後...』(07年)、『ハート・ロッカー』(08年)でアカデミー主演男優賞にノミネートされた。その後『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』(11年)、『アベンジャーズ』(12年)など大作に連続して出演している。
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