上司と話が合わなくても、何も問題ではない 会社にとっての「いい人」は仕事ができる人

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なお、私自身も周りに合わせるような事はしません。というよりも絶対できません。自分の意見を言わないなんて言語道断ですし、無理をして付き合うとか、相手に合せるなんて事は不可能です。もちろん前述のように仕事を成し遂げるための良好な人間関係を築く努力は最大限します。でもそれ以上でも以下でもありません。

それで今まで何か問題に遭遇したかというと、全く遭遇していません。むしろその反対で、過度にベタベタしている人達よりも、良い評価をどこでももらってきましたし、本質的なところで良好な人間関係を築いてこられたと思っています。何かあればリアルな解決策を提示できる人は周りに多数おりますし、反対に様々な事で相談されることも多数あります。いずれも頻繁に連絡を取り合ったり、飲み歩いている間柄ではありません。それでも裏表のない付き合いをしていますから、お互いに相手の本質的なバリューが見えているから反対に付き合い易いわけです。

お互いの本質的な価値が見えていない関係だと、表面的な関係(たとえば学校や会社といった同じ集団に帰属しているという関係)が崩れた際に、それ以上の関係は継続できません。卒業や転職したらそれで最後です。こうした場合には、表面的関係だけが人間関係における接着剤なわけで、個人間における評価が人間関係のベースになっていないわけです。引退した大企業の部長から、昔の部下や取引先が離れていくのも同じ原理です。

自分を偽って相手に迎合するのはNG

看板での付き合いでなく、個人的な付き合いのほうが強いのです。だからこそ、自分を偽って相手に迎合する心構えはダメなのです。それをすればするほど相手にとってのあなたの価値は下がります。価値が下がるという事は、表面的な付き合いに終わるという事です。なんの偽りもなくお互いに自然に価値を感じて人間関係を築けるのであればそうすれば良いですし、そうでない限りはその関係におけるポイントを外さない付き合いをしていれば良いのです。

会社における人間関係の要点は仕事です。J.Nさんの心構えは正しいのです。この先も、J.Nさんが自分自身を貫く勇気を継続して持ち、自分自身の人生を歩まれることを応援しております。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

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やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

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