JAL“予想外”の成功で注目、稲盛氏の右腕

森田JAL特別顧問が明かすアメーバ経営の実際

単価の算出自体は容易だった。単価を決めるため「このような数字が必要です」と求めるとすぐに数字が提出され、JALスタッフの優秀さを改めて実感した。計算された数字をもとに、各部門で話し合ってお互いが納得できる単価を決めている。市場の変化などを反映させる必要もあるため、単価を変更するルールも決めた。

こうして1便単位で収支が可視化されると、決められた予算を消化するという従来のままではダメだと認識されるようになり、さらに収支を改善するにはどうしたらいいか関係者が考えるようになった。

それまでは一度運航計画を決めてしまえば、あとはパイロットはパイロットの仕事を、キャビンアテンダントはキャビンアテンダントの仕事をと、皆が自分の仕事をそれぞれやるだけで、お互いに口出しはしなかった。

だが、1便単位で収支を改善しようとすると各スタッフが連携し、柔軟に資源配分をしないといけなくなる。しだいに各部門が連携して取り組むようになった。

たとえば、ある便の予約が埋まるペースが速いようであれば、大きな機材に変更して売り上げの拡大を図る。逆に搭乗率が低くなりそうであれば小さな機材に変更する。当然、パイロットなどスタッフの要員配置も変更する。

要員配置の変更は、スタッフの給料の増減に直結するうえに、個人の生活スケジュールにも影響してしまうため、従来であれば抵抗が大きいことだ。だが、アメーバ経営によってそうした変更がいかに利益に直結するかがわかることで、利益が出なければ会社は続かないという危機感から、全社員の協調性が高まり、そうした変更にも柔軟に対応できるようになった。

社員の能力で乗り超えられた東日本大震災

これが最も効果を発揮したのが、昨年の東日本大震災のときだ。仙台空港閉鎖など直接の影響だけでなく、その後の旅行控え、外国人客の激減など、航空業界は強烈な逆風に直面した。アメーバ導入直後でもあり、正直に言って、再建計画の実行は難しいと思った。

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