【産業天気図・精密機器】デジカメは一眼レフとコンパクトで明暗、事務機器は若干の回復へ
12年4月~12年9月 | 12年10月~13年3月 |
前年は震災やタイ洪水の影響を大きく受けたが、今年はその影響から脱して回復基調にある精密機器業界。欧州市況の悪化や円高の定着など先行きに懸念はあるものの、全体としては緩やかながらも成長が続きそうだ。
躍進する一眼レフと、競争激化に苦しむコンパクト。デジタルカメラを取り巻く環境は明暗が分かれている。
カメラ映像機器工業会によると、2012年度のデジカメ総出荷数の見通しは前年比1.6%増の1億1730万台。そのうち、一眼レフ、ミラーレスをあわせた「レンズ交換式」は1830万台で同16.6%増。コンパクトの「レンズ一体型」は9900万台で同0.8%減と予想している。
一眼レフ好調の背景には、前年のタイ洪水の反動増に加え、欧米での堅調な需要と、中国、東南アジアなど新興国で増加する中間所得層の拡大がある。ロンドンオリンピックが開催された今年は一眼レフメーカーにとって稼ぎ時で、キヤノン、ニコンら一眼レフメーカーが投入したプロ用、エントリー層向けの新製品も売り上げを伸ばしている。
国内や台湾などアジアを中心に市場が拡大しているミラーレスも、9月中旬に業界トップのキヤノンが大手では最後発で新製品を投入することで、さらなる活性化が期待できそうだ。