トップになれなきゃ2位も3位も同じ 中西直義・アイダエンジニアリング副社長に聞く
そこで昨年移転新設した江蘇省南通市の工場では、質はそのままで機能を抑えた、廉価版のトランスファプレス(本体内に加工物搬送装置を備え1台で多工程のプレス加工ができる大型機械)の生産を始めました。自動車や家電メーカー向けに拡販していくつもりです。
このトランスファプレスは日系や台湾のメーカーには浸透していますが、中国メーカーは金型やトランスファーの活用に慣れていないケースもあります。まず簡単で廉価な製品を作り、ローカルユーザーに金型指導をするなどして市場を拡大していきたいと考えています。
これまで中国では「汎用機のアイダ」として名が通っていて、大型のプレス機はやっていない会社だと思われています。そうした機種の生産販売も行っていることを知っていただく、ローカルに根ざした営業活動をやっていきたい。
--「ローカルに根ざした営業活動」とは。
中国では「隣の工場に良い機械が入ったから、あれを買ってみよう」などと、人づてに広まった評判が特に重視されます。実績がものをいう世界ということです。機械自体もそうですが、アフターサービス対応だとか金型の困りごとの指導などトータルでアイダの強みを出していきたいと考えています。
日系メーカーとの関係は、今と同じようにいつまでも保てるとは思っていません。もちろん一番に重視する顧客であることは間違いないですが、海外展開を進めている以上はローカルの開拓は必須です。でないと、現地生産する意味がありません。日系とローカルの比率を50:50にしていくことを目指しています。
--中国や台湾のプレス機メーカーが技術力を伸ばしているという話も聞きます。
これまで中国での売り上げの中心だった汎用機は、確かに現地メーカーに押されています。ただ、確かに力をつけているものの、機械はまだまだトラブルが多い。また、十分にメンテナンスできる技術も十分とはいえないでしょう。
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