民進党大会「ハプニング続出」が象徴する多難 他の野党との協力関係の浅さも露呈

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下馬評では、自民党が候補擁立を断念した京都3区で民主党の泉健太氏が優勢だ。おおさか維新の会や日本の心を大切にする党がそれぞれ女性候補を立てたものの、知名度その他で泉氏に大きく及んでいない。よってこの日の党大会に泉氏は出席し、壇上で「謙虚な集団として歩み出そう」と挨拶する余裕を見せた。

北海道5区の池田真紀氏はビデオメッセージのみに止めた。12日に札幌入りした枝野氏が「(自民党候補の)背中に手がかかるところまできた」と述べたように、共産党など他の野党や市民団体が推す池田氏は猛烈に追い上げている。もし勝てば、参院選への大きな弾みにもなる。ただし民進党単独で勝利しようとすれば、それは極めて難しい。

気になる他の野党との協力関係

他の野党からの出席はなかった

いったい共産党や社民党、生活の党と山本太郎となかまたちなどとの協力関係は、どのくらい信用できるものなのか。結党大会にこれらの党からの「参加」が全くなかったことが気になる。

民進党から招待しなかったことが、その理由だ。だが自民党と公明党が下野した時、自民党は都連大会などに山口那津男公明党代表を来賓として招待している。公明党は野党時代に「連立与党というのはあっても、連立野党というのはない」という理由で党大会に自民党を招待しなかったが、それでも谷垣禎一総裁(当時)はメッセージを寄せていた。そのような深い関係は少なくとも、民進党と他の野党との間には感じられない。これからの選挙をきちんと協力しあっていけるのだろうか。

世論調査も新党には厳しい結果だ。NNNが3月25日から27日に行った世論調査によると、新党に「期待する」と回答した人が26.6%で、「期待しない」が59.7%。民進党の誕生が多くによって温かく歓迎されたわけではない。

「目先の人気とりで、魂まで奪われてはならない」。4人の来賓の中でただひとり笑顔を見せずに語った神津里季生連合会長のこの言葉を、どれだけの議員がその胸に刻んだのか。それはこれからのひとつひとつの選挙結果で明らかになるだろう。

(撮影:尾形文繁)

安積 明子 ジャーナリスト

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あづみ あきこ / Akiko Azumi

兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。1994年国会議員政策担当秘書資格試験合格。参院議員の政策担当秘書として勤務の後、各媒体でコラムを執筆し、テレビ・ラジオで政治についても解説。取材の対象は自公から共産党まで幅広く、フリーランスにも開放されている金曜日午後の官房長官会見には必ず参加する。2016年に『野党共闘(泣)。』、2017年12月には『"小池"にはまって、さあ大変!「希望の党」の凋落と突然の代表辞任』(以上ワニブックスPLUS新書)を上梓。

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