実現なるか!東京オリンピック--52年ぶりの開催目指す東京とライバル都市の思惑

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 こうした施設の建設、改修、さらに選手村など付随施設の建設にかかる費用は締めて4143億円。財源として都はオリンピック開催準備基金4000億円の積み立てを09年度末までに完了する予定だ。

番狂わせが生じることも、開催都市決定投票

IOC評価委員会は東京の交通システムについても懸念を表明している。招致委員会側もこの反応は想定内。都が09~11年度にかけて実施する再開発計画では、三環状道路の整備に6528億円、空港アクセスや臨海部道路網整備に1023億円を投じて改善する予定だ。

これらは都がオリンピックに立候補した06年に打ち出した総額1・9兆円のビッグプロジェクト「10年後の東京」の一環である。つまり東京オリンピックには「10年後の東京」推進の起爆剤としての役割が期待されているのだ。オリンピックが実現するかどうかは、東京の「10年後」にとっても大きな意味を持つことは間違いない。

デンマークの首都・コペンハーゲンで10月2日午後5時10分(日本時間3日午前0時10分)、IOC総会で16年夏季オリンピックの開催地を決める投票が始まる。

東京は06年8月に国内の選定委員会で福岡を33票対22票で破り、08年3月にはIOCによる候補都市選定において、トップ評価で候補都市に選ばれた。つねに招致レースの先頭を走ってきた東京だが、9月2日発表のIOC評価報告書ではほぼ横並びの評価。行方は混沌としてきた。



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