「反トランプ運動」が選挙集会を荒らしている トランプ陣営には安全上の不安が浮上
ベイリーさんが所属する団体は、姉妹団体が11日に同州セントルイスで行った同様の抗議活動や他のデモから、何か学べないか注視していたという。「特に、集会を妨害するうえで何が有効かを知りたい」と、ベイリーさんは話す。
ベイリーさんは最も有効だと思える戦略の一つとして、小規模な人数で集会に入り込み、会場付近に人員を配置することなどを挙げた。
シカゴのイリノイ大学で11日予定されていた集会の前、トランプ氏への抗議を主導する人たちはフェイスブックを使い、シカゴ地区の学生グループと協力して抗議への参加を呼びかけた。スタジアム内では、支持者と同じくらいの数の抗議者がいた可能性がある。トランプ陣営が集会を中止したときには、会場に入ろうとする長蛇の列ができていた。
トランプ氏の支持者と反対者との間で小競り合いが発生し、その様子は全米でテレビ放送された。トランプ陣営には安全上の不安が浮上した。
主催者の1人である大学院生のナサニエル・ルイスさん(25)は、トランプ氏の集会が中止されたことについて「最も予期せぬことだった。団結の力を示すものだ」と語った。
主要な予備選前に抗議
今回の抗議行動は、15日に5州で行われる予備選で、トランプ氏が共和党候補指名を争うテッド・クルーズ上院議員や、マルコ・ルビオ上院議員、オハイオ州のジョン・ケーシック知事に対してリード固めを狙うわずか数日前に起こった。
米大統領選に出馬する共和、民主両党の候補者たちは、敵対的な発言で緊張を広めているとしてトランプ氏を非難している。だが同氏は13日、次のように言い放った。
「私に責任などない。いかなる形の暴力も許さない」
トランプ氏は抗議者を、サンダース民主党候補から送り込まれたプロの「かく乱者」だとして、「バーニー、気を付けろ。さもなければ、私の支持者たちがそちらの集会に行くぞ」と、ツイッターに投稿した。