リクルートキャリア「就職みらい研究所」の調査によると、2016年卒の就活生は、実施者ベースで平均17.6社に書類を提出しています。WEB化で就活が楽になっていると思われがちですが、むしろ工程数が増え、提出書類が増え、余計に手間と時間がかかるものになっているのが現実です。
WEB化された履歴書兼エントリーシート(オープンエントリーシート)の採用で書き直しの負担は軽減されているものの、手書きの履歴書やエントリーシートなら、1枚書き上げるのにも1~2時間はかかります。
そして、手書きの場合は、途中まで書いて間違えた場合、最初から書き直すというのが一般的です。部屋にとじこもって、書類と格闘しなければならないこともあるのです。
親との最大の認識のズレは「業種と社名」
そして、保護者世代の方と就活生との最大のズレは、業種や社名への認識かもしれません。数年前に「10年後になくなる仕事」が英オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授の論文で発表されて話題になりました。
すぐに人工知能が人間の仕事を代替するようになるわけではないでしょうが、仕事の機械化・IT化は進み、産業構造は大きく変化しています。特にサービス業就業者は数・比率ともに増え続けています。
1993年にサービス業に就業した大学生の割合は25.4%でしたが、2013年には33.6%。リクルートワークス研究所では、2020年時点でサービス業の就業者数は47.2%との予測を出しています。
しかし、就活生の話を聞いていると、親から「大学を出て、なんでわざわざサービス業に就くの?」と言われたという声をよく聞きます。ほかにも「『どこかの子会社だろ』と言われた」「『そんな企業名は聞いたこともない』と言って、(親が)知っている企業を勧められた」という学生もいました。
子どもが志望する業界、企業に対して、ご自身が知っているかどうかを評価の基準にしていませんか。就活生の多くは、親にもっと相談したいと思っています。だからこそ、保護者の方には、産業構造の変化や就業形態の多様化の実態を、もっと知っていただけたらと思います。そのうえで、ぜひ企業人・社会人の先輩としてのアドバイスをしてあげてください。次回は、その際に、気を付けたいNGワードをご紹介します。
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