信玄餅に秘められた誕生と成長の意外な真実 老舗「桔梗屋」はどうやってファンを作ったか
中丸さんと従業員のアイディアから生まれた詰め放題によって、以前は規格外商品・賞味期限間近のものを廃棄物として処理していたため莫大な処理費用がかかっていたものを、2億円以上の売り上げに転換することができたという。
アウトレット手法で正規品の売り上げも上昇
「桔梗屋」が行った「社員特価販売1/2」のようなアイディアは、無駄をなくし処理費用を売り上げに転換するだけでなく、環境にとても良い効果がある。
一方で、このようなアウトレットセールを行うと、商品が安価で手に入ることによって、消費者にとっての正規品の価値が下がり逆に正規品の売り上げが落ちるのでは?と思う方もいるかもしれない。事実、アウトレットセールを行う時に、社内から反対意見も多く出たという。
ところが、実際にアウトレットセールを行ってみると、こうした懸念とは反対に正規品の売り上げが上昇したという。工場見学に訪れた人の中には、身内にはアウトレット品を購入し、贈答用に正規品を買う人が多かったのだ。さらに、多くの人が桔梗信玄餅の工場見学に訪れることによって、さらなるPR・知名度の向上効果もあり全体的な売り上げアップに繋がった。
みずからの取り組みについてオープンにせず、隠してばかりいるとその商品やサービスを利用する消費者は不信感を持ち、ファンも生まれない。逆に徹底してファンの声に応えていくことで、その人だけでなく、周囲にいる人への口コミ効果なども含めて、良い評判というのは伝わっていくものだ。120年以上続く老舗銘菓企業の歩みは、どんな企業にも見習える教訓が詰まっている。
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