自民と公明、参院選候補を巡る「軋轢」の真相

公明党が選挙区で次々に独自候補を擁立

公明党の支持母体である創価学会は、「常勝関西」と言われるように、大阪の力が大きいことは知られているが、九州の力も侮れない。公明党関係者は「九州はある意味で治外法権といえるほど強い」と語った。

実際にその力を見せつけたのは、2007年の参院選だ。「選挙区は自民党、比例区は公明党」で棲み分けができていたにもかかわらず、2005年の郵政選挙で造反組として落選した衛藤晟一氏が安倍晋三首相の「総裁推薦枠」を得て比例区から出馬表明した。これが公明党の逆鱗に触れたのである。

衛藤氏は復党の際、「県内で政治活動を行わない」という誓約書を提出しなくてはならなかった。さらに九州での選挙事務所設置を禁じられ、6月27日に福岡市内で開かれた自身の総決起大会に欠席を余儀なくされている。

また宮崎1区を地盤としていた中山成彬元衆院議員は、2007年の参院選に恭子夫人が自民党公認として比例区から出馬したことで、選挙区内の比例票を恭子夫人に集中させ、公明党の怒りを買った。

これらにより、九州での自民党への推薦は大きく後れ、大分、熊本、鹿児島選挙区で推薦を出したのは投票日約2週間前の7月6日。10日に推薦を出した佐賀選挙区の自民党公認の川上義幸候補は落選の憂き目にあった。

兵庫県では「残り1議席」の争奪戦

福岡と同じく、24年ぶりに公明党が独自候補を擁立するのが兵庫選挙区。ここは3議席中、自民党とおおさか維新の会が優勢で、残り1議席の争奪戦となると見られている。

公明党は昨年11月5日、第3次公認として伊藤たかえ氏を兵庫選挙区に擁立を決定した。その直後から、県内のすみずみまで伊藤氏のポスターが貼られていった。その数は共産党のものよりも多く、公明党の強い組織力を見せつけるものとなった。

しかし兵庫選挙区は自民党はもとより、おおさか維新の会の力も強く、2013年の参院選では、民主党の現職の辻泰弘氏を抑えて日本維新の会から清水貴之氏を当選させている。この2者に続くのが民主党の水岡俊一氏が劣勢だと伝えられているが、公明党はどのくらい勝算はあるのか。

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