九州の地銀再編は、新たな段階に突入した 十八銀・FFGの統合が意味するもの

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今回の十八銀参加でFFGは一段と立場を強くする。が、同じ福岡を地元とする西日本シティ銀も、手をこまぬいているわけではない。2015年10月、持ち株会社を設立する方針を公表。証券子会社などを合わせた総合金融グループ力を強化するとした。周辺地銀は「他行と統合しやすくするための基盤づくり」とみる。

ただ、周辺地銀の声を集めると、西日本シティ銀へ合流する地銀が現れる可能性はいま一つ見えてこない。むしろFFGや九州FGのさらなる勢力拡大のほうが現実的だ。

佐賀はFFG、宮崎は九州FGか

十八銀はこれまで佐賀銀行・筑邦銀行と同じ勘定系システムを利用しプログラム開発を共同化してきた。3行中最大規模の十八銀がFFG入りしたことで、福岡県と長崎県に挟まれた佐賀県首位の佐賀銀は、FFG入りが経営の重要検討事項となるだろう。

また福岡中央銀行は歴代頭取が福岡銀の出身。顧客層が福岡銀とは違うため、合併はないとしても、管理部門のコスト削減などで、FFG入りするメリットは大きい。折しも金融持ち株会社の規制緩和の議論が進んでおり、傘下銀行の業務を持ち株会社が集約して行えるようになる。

九州FGの鹿児島銀は、隣県の宮崎銀行と激しいバトルを繰り広げ、相手の地元で融資を大きく伸ばしている。しかし、「(宮崎銀の)頭取が交代したら仲良くやろうという話ができている」と、鹿児島銀行首脳はかつて語っていた。宮崎銀は2015年6月に頭取が交代しており、今後、九州FG入りを模索する動きが出るかもしれない。

「週刊東洋経済」2016年3月12日号<7日発売>「核心リポート06」を転載)

福田 淳 東洋経済 記者

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ふくだ じゅん / Jun Fukuda

『会社四季報』編集部、『週刊東洋経済』編集部などを経て編集局記者。

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