スカイマークが検討、国際線参入の現実味
日本航空(JAL)、全日本空輸(ANA)に次ぐ、3社目として海外へ羽ばたけるのか--。
格安航空会社のスカイマークが国際路線の参入準備を進めている。羽田空港が再拡張される2010年以降、台北(台湾)への就航を果たすというシナリオだ。
これまでスカイマークはエイチ・アイ・エスのツアー客を乗せたチャーター便を韓国・仁川空港へ飛ばした実績がある。だが、定期便となると次元がまったく違う。国際線発着枠には制限があり、確保が非常に難しいからだ。過去に参入機会はあったものの、業績悪化も重なって断念した。今回、機材の小型化や増資などで経営安定化にメドがついたと判断し、次なる展開に向けて動き出した。
発着枠拡大で好機到来
国内では10年3月に成田国際空港、同年の10月に羽田空港が相次いで再拡張する。これで国際線の発着枠が合計8万回拡大される見通し。今後、国土交通省が国内外各社からの就航要望を聞いたうえで配分を決める予定だ。そこへスカイマークも手を挙げる。皮切りの定期便として台湾を見据えるのは、整備委託先のEGAT社があることも大きい。また、那覇空港を中継地にする案も浮上しており、「国際線を飛ばすことが航空会社としてのステータス」(同社関係者)と鼻息が荒い。
だが、打診を受けた肝心の国交省側は難色を示す。最たる要因が欠航問題だ。スカイマークは昨夏、機長不足によって前代未聞の大量欠航を起こした。国交省関係者は「国際線で欠航すれば、国内だけの問題にとどまらない。2国間の問題に発展して大きな恥をかくことになる」と懸念を隠さない。国内線の展開も問題視する。同社は鹿児島、徳島など地方空港から相次いで撤退し、羽田拠点に札幌、福岡、那覇など基幹路線に集中。他の新興航空会社が少なからず地方路線も飛ばす中、「まずは地方も含めた国内ネットワークを充実させてほしい」と注文をつける。