日産「リーフ」はカッコよければヒットしたか

先進的な日本車が「無理しがち」なデザイン

「このリアデザインが不評を呼んでいる」という声がある

こうした中で、優れたデザインのEVを生み出すには、メカニズムの配置を含めてゼロから考えるのが理想だ。あるいは完成されたデザインを持つ既存の内燃機関自動車に電動パワートレインを組み込むという手法もある。現行車種で代表格を出すと、前者がテスラモーターズ「モデルS」、後者が三菱自動車工業「i-MiEV(アイミーヴ)」となる。

リーフはどちらでもなかった。既存の内燃機関前輪駆動車のレイアウトをベースに電動パワートレインを搭載し、新設計ボディを与えるというプロセスを取っているからだ。

具体的には、エンジンが積まれていたフロントノーズ内にモーターを置き、前輪を駆動する。バッテリーは前席下から燃料タンクがあった後席下に掛けて配置した。必然的に後席の着座位置は高くなり、全高は1545㎜と、このクラスのハッチバックの平均を上回ることになった。一方のフロントノーズはラジエーターがないことから、空力対策もあって低くされた。

低いノーズと背の高いキャビン。この2つの要素をつなげるのは難しい。フロントフードとウインドスクリーンを一直線につなげたワンモーションフォルムにする手もあっただろう。しかしリーフは日産のEV第1号として、グローバルで台数を稼ぐという目的があり、一般的な2ボックススタイルに落ちついた。

EVであることをアピールしようとした?

さらにリーフでは、EVであることをアピールするとともに、空力性能を高めるべく、フロントグリルをなくし、充電口のリッドをそこに切り欠いた。この位置に充電口を持つEVの多くが、グリルやエンブレム部分にリッドを隠しているのとは対照的だ。グリルレス+リッドというスタイルをEVの象徴にしようとしたのかもしれない。

前後のライト類の独特の形状もリーフの特徴だ。ヘッドランプはドアミラーに当たる風を減らすため、リアコンビランプは車体側面を流れる空気をリアに巻き込ませないための造形だという。ただしリーフの空気抵抗係数Cd値0.28に対し、プリウスは2003年発表の2代目ですでに同0.26を達成している。Cd値だけですべてを判断することはできないものの、このライト類にはEVらしさの演出も含まれていると考えて良さそうだ。

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