日産「リーフ」はカッコよければヒットしたか

先進的な日本車が「無理しがち」なデザイン

ルノー「ゾエ」の外観スタイル

ゾエは内燃機関自動車ルーテシア(本国名クリオ)のプラットフォームを活用した。フロントにモーターを置いて前輪を駆動し、バッテリーはキャビン床下に積むという点はリーフと共通する。このクラスのハッチバックとしては背が高いこともリーフと同じだ。

しかしゾエに、EVらしさを強調する造形はない。充電口はフロントグリル中央のエンブレムが付く位置に隠されている。またデザインに関する説明を見ると、アジリティやエモーションという言葉が並ぶ。EVだから優しいデザインというロジックはそこにはない。逆に躍動感を強調したデザインのおかげで、腰高感を薄めることに成功している。

細部の造形にこだわると全体のバランスを失う

自動車を含め、日本のプロダクトデザインは、全体的なプロポーションより細部の造形にこだわる傾向が強いと感じている。私たちがクルマに接するとき、まずは遠くから見てプロポーションが最初に目に入り、そこで第一印象が決まる。細部を吟味するのはその後であり、ユーザーを引き付けるためにもプロポーションは重要だ。

来年にはデビューが予想される次期リーフのデザインについて、複数の日産関係者から、より普遍的なデザインになるという言葉が発せられている。現行型はEVらしさにこだわりすぎたという意味を含めての言葉かもしれない。

プリウスのデザインも2代目で洗練された

このあたりの経緯はプリウスに似ている。プリウスも1997年に発表された初代は、リーフに似て一風変わったプロポーションを持っており、前衛的なエンジニアリングも影響して、ヒットには結び付かなかった。しかし先ほどCd値の話で登場した2代目は、現在まで続くトライアングル・シルエットを確立するなど、プロポーションで新しさをアピールした。これが北米などで受け、現在の地位を確立した。

日本のカーデザインは能力不足なのではない。意識を変えることで、多くの人がカッコいいと思うデザインは生まれるはずである。EVであっても例外ではない。

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