韓国で注目の「シニアインターン」とは何か ベテランの再就職の切り札になっている

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「ミュージシャンにとって引退というのはないそうです。音楽が消えればそれでおしまい。私の中には、まだ音楽が残っているんです」

2015年に封切られた映画「インターン」の台詞だ。映画の主人公である70歳の老人は、スタートアップ企業が始めたシニアインターンに応募し、こう自己紹介した。

電話帳の会社で四十数年働き、副社長にまでなった彼は、以前の職場や肩書き、経歴をひけらかすことはなかった。過去の栄華を忘れ、現在の「自分」が今でも働けるという事実を堂々と伝えた。百戦錬磨のベテランである彼なりの、生き抜くやりかただ。では、現実はどうだろうか。

ソウル新聞は2015年末から1カ月間、韓国の労使発展財団や大韓商工会議所とともに、シニアインターンとして実際に働く労働者を追跡した。取材の結果、大企業役員から中小企業社長、一般社員、自営業者まで、多様な経歴を持った人が働いていることがわかった。

サムスン、ロッテでの勤務を経てインターンへ

当記事は「ソウル新聞」掲載記事の日本語訳です

ソウル市江南(カンナム)区道谷(トゴク)洞にある建設・貿易業の「シンウネイチャー」で働くイ・ドクス副社長(59)は、韓国を代表する大企業・サムスンで働いていた。1981年にサムスングループに入社してサムスン物産に27年勤めたあと、ロッテ建設に転職。常務にまで昇進し、昨年初頭に退職した。

彼は、エンジニアリング分野のプラント技術者である。引退後半年の休養を置き、第2の人生設計を行った結果、30年以上働きながら体得した知識を誰かに伝えてみようと決意した。

中堅財閥グループ傘下にあるGS建設からは「年収1億ウォン、職場はサウジアラビア」との提案を受けたが、その提案は拒否。イ副社長は「実際に現場で得られる暗黙知(ノウハウ)は若者が会得するには難しい部分。今後、知識伝道者として生きることにした」と言う。

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