カプコンの「新」アメーバ経営、ゲーム業界でヒット連発の秘密

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 通常、開発スタッフが複数のソフトを同時に手掛ける場合、業務が煩雑化することが想像される。が、カプコンは「MTフレームワーク」という開発工程を共通化するエンジンを導入している。開発の形式知(=標準化)を浸透させることで、スタッフの作業負担が軽減し、柔軟な集合・離散を後押ししているのだ。

ヒットを継続する仕組みを構築する一方で、京セラ流“元祖”アメーバ経営と同様、採算管理にも力を注ぐ。売り上げ、原価(一般原価と開発原価)、販売費・一般管理費を複数項目に分けて細かくチェック。それらは過去3年の実績+今後3年の計画を、それぞれ前年比、売上高比、当初計画比の比率で一覧できる。この管理を120の開発チームすべてで実施しているのだから、その徹底ぶりはすさまじい。

辻本憲三会長は、「かつては月次で見ていたが、今は週次ベースでチェックしている」と話す。

カプコンがこの新アメーバ経営を導入したのは、硬直的な組織で経営難に陥った過去があるためだ。かつては、縦割りの開発部門ごとに主要タイトルを展開する、いわゆるカンパニー制を採用していた。その結果「優秀なスタッフの取り合いが起こった」(小田民雄取締役)。ある部門で人気シリーズを輩出しても、セクショナリズムの横行で、ヒットのノウハウを組織全体で共有できなかった。しだいにソフト事業が不振に陥り、さらに金融子会社の不良債権処理も重なって、02年度と03年度は続けて最終赤字に転落している。

そこで02年8月、辻本会長は組織の構造改革を決断。現在の柔軟な構造に「やり方をすべて変えた」。同時に、マーケティングや営業部門との連携強化によるマーケットインの開発を重視してきた。

海外市場と非ソフト事業 成長企業の新たな課題

かの任天堂・岩田聡社長に、「なかなかこういうソフトには巡り合わない」と言わしめた『モンスターハンター3(トライ)』(8月1日発売予定)は、『モンスターハンターポータブル2ndG』の廉価版に体験版を同梱し、プレーするユーザーの反応を調査しながら開発の精度を高めていった。

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