カプコンの「新」アメーバ経営、ゲーム業界でヒット連発の秘密
今年2月に宝塚歌劇で上演された推理ゲームの『逆転裁判』。宝塚歌劇95年の歴史で、ゲームソフトを舞台化するのは初めてのことで、大きな話題を集めた。
実はこのアイデア、カプコン内の女性だけのプロジェクトチームから生まれたもの。このチームは『逆転裁判』の松川美笛プロデューサーが周囲に声をかけ、自然発生的にできた組織だ。柔軟な組織だからこそ生まれてきた発想かもしれない。
成長路線を突き進むカプコンだが、課題もある。実はゲームソフトの海外でのシェアは、米国で0・9%、英国で0・8%しかない。『ロストプラネット』や『デッドライジング』など欧米でヒットを飛ばしたタイトルはあるものの、メーカーとしての知名度は高くはない。
中期的に世界各地域でシェア5%が目標だ。海外事業の強化とともに、苦戦中のゲームセンター運営や、昨年買収により本格展開を始めたパチスロ機開発のテコ入れなど、カプコンの経営戦略全体をコントロールする幹部クラスの育成は、今以上に求められる。
「同様の経営手法を導入するメーカーが出てきている」と前述の白石氏。設立26年目、ヒット作連発で得た手応えと確信を、次の成長ステージに生かしていけるだろうか。
(梅咲恵司 撮影:ヒラオカスタジオ =週刊東洋経済)
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