CFD(差金決済取引)に強まる風当たり、FXの後追い規制の反省か
それでも規制が進む背景には、「FX業界で(取引システムや顧客資産の管理体制などで)質の低い業者が出た反省があるのだろう」とエフエックス・オンライン・ジャパンの親会社で、CFDを世界展開する英IGグループのティム・ホーキンス社長は語る。
金融庁は近年、FX業者を対象とした規制強化策を次々と定めている。たとえば、顧客の預かり証拠金について、信託銀行への金銭信託(信託保全)に一本化する規制を4月に打ち出した。
FXではルール整備が後手に回り、さまざまなトラブルも発生。CFDではその二の舞いを避けたいとの思惑があるようだ。
「デリバティブの店頭取引は、金融危機時のシステミックリスクの一因にもなった。CFDは米国ではリスクが高すぎるとして、一部の高所得者以外、個人の取引は禁じられている。日本でも、そもそもどうあるべきかを含めて検討したい」(金融庁幹部)。
拡大を見込む業者の思いとは裏腹に、世界的な金融規制強化の流れから、さらに厳しいルールが課されそうだ。
(武政秀明 撮影:吉野純治 =週刊東洋経済)
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