新「電車とバスの博物館」の超目玉はコレだ ミュージシャンの向谷実さんも全面協力
「電バス」の目玉は、なんといってもリアルな電車の運転体験が楽しめるシミュレーターだ。実物大の8090系電車の運転台があるシミュレーターは開館時から高い人気を誇る。今回のリニューアルでは、熱烈な鉄道ファンとして知られるミュージシャンの向谷実さんが率いる会社「音楽館」が手掛けた。
従来より機能を大幅にアップしたシミュレーターは、現在の東急線の信号保安システムを忠実に再現したほか、運転できる路線も、従来からあった田園都市線の中央林間~二子玉川間に加え、新たに東横線、大井町線の各線が選べるようになった。特に難しい朝ラッシュ時の運転を体験できる「エキスパートモード」など、難易度に合わせて3種類のモードを選べるシステムも導入した。
映像は全て実写で、実物大の運転席の前に広がる145インチの大型スクリーンと「制御装置の切り替わる音まで再現した」(開発担当者)というサウンドにより、まるで本物の電車に乗っているかのような雰囲気だ。向谷さんは「自分の好きな区間を選んで走ることができ、(急行など)通過列車の場合はちゃんと通過線を通るようになっている」とこだわりを語る。
このほか、東急電鉄のHOゲージ模型車両が走り回る大型ジオラマ「パノラマシアター」にも新機軸を盛り込んだ。
施設自体は従来からあり、線路の配置なども変わっていないが、向谷さんが作曲したオリジナルのBGMに合わせ、東急線の24時間を表現した背景映像とともに模型列車が走り回るなどの新たな演出を導入。このほか、鉄道好きで知られるピアノとバイオリンのデュオ、スギテツの楽曲を使った、東急線の運転士など鉄道マンの姿を描いた短編映画も上映する。
小さな子ども向け施設が充実
だが、これらの目玉施設のパワーアップに加え、今回のリニューアルで特に目立つのは、小さな子どもが楽しめることを意識した設備だ。
例えば、新たにオープンした「キッズワールド」に設置された「キッズシミュレーター」だ。このシミュレーターは、これまでのシミュレーターが1人で運転席に座るタイプだったのに対し、ベンチシートに親子で並んで運転体験ができる構造だ。
また、専用のwebサイトや館内のパソコンでオリジナルカラーの電車をデザインすると、運転中にその電車とのすれ違いを楽しむことができるほか、オリジナル電車のペーパークラフトを購入することもできる。
また、運転士や車掌、保線など東急線の鉄道マンの仕事を紹介する「電車のしごと」のコーナーは、低い位置には「最終電車まで仕事していて朝起きれるの?」などといった疑問に対し、フタを開けると答えのわかる仕掛けを設置。やや高い位置は実際の仕事で使う道具や1日の仕事の流れを追うパネルとするなど、成長とともに伸びる子どもの身長に合わせ、見える位置が変わる展示形式を取り入れている。
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