トヨタ、来期の増益は「米国市場」次第 円安メリットなく販売台数も横ばいどまり
販売台数はどうか。トヨタの場合、2015年通年の世界販売台数は1015万台で、前年比0.8%減だった。2016年も1011万台と微減を見込んでいる。2016年度計画は公表していないが、同様にほぼ横ばい程度と思われる。
国内は引き続き力強さを欠いており、東南アジアは景気回復とは見ていない。プラスを見込めるのは米国と中国。日本車のシェアが低く、現地企業との合弁で持ち分法適用となる中国市場は、業績への影響が限定的になる。
やはり最大の焦点は米国市場だ。2015年には1747万台と市場全体として過去最高を記録。採算のいい大型車が売れたのも大きい。2016年についても「安定的に推移。経済が堅調、ガソリン安も追い風で、1750万台程度と少し拡大する」(トヨタの大竹哲也常務)。1月は前年比0.3%減だが、営業日が2日少なかったことなどを考慮すると、堅調ぶりが続く。
それでも収益の一極集中がますます強まる中、「懸念は米国市場に陰りが出ること」(同)。追加利上げが先送りされそうなど、米国景気失速のリスクは残る。円安の追い風がやんだ来期こそ、自動車業界の裸の実力が問われる。
(「週刊東洋経済」2016年2月27日号<22日発売>「核心リポート05」を転載)
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