トヨタ、来期の増益は「米国市場」次第

円安メリットなく販売台数も横ばいどまり

国内自動車メーカーは来期、米国依存の収益構造というリスクが問われる(写真は1月29日のトヨタ、ダイハツの提携会見。撮影:尾形文繁)

第3コーナーまで快調なペースで走っきたが、ゴールを目前に雨雲が迫ってきた──。

国内自動車メーカーが発表した、2015年度第3四半期累計(4~12月期)決算。トヨタ自動車や日産自動車、スズキ、富士重工業はいずれも最高益を更新した。他社もおおむね悪くない。

国内や東南アジアは市場が低迷しているが、トヨタや日産、富士重はドル箱の米国で、米国から撤退したスズキはインドで、それぞれ販売台数を伸ばした。前年より円安だったのも利益を押し上げた。

1ドル110円でも今期は乗り切れる 

2月に一時、1ドル110円をつけるなど円高が進み、事業環境は急変している。とはいえ今期に関していえば、円安修正の影響は限られよう。通期予想では、第3四半期から減速するものの、多くは増益を見込む。各社とも今期の想定為替レートはほぼ120円。一見楽観的に思えるが、第3四半期までは121~122円で推移し、残る第4四半期が115円なら、ほぼ想定内だからだ。

「(1~3月が)113円を切る状況でも、計画の達成は可能」と、日産の田川丈二常務は自信を示す。トヨタでは、グループ会社の愛知製鋼における工場でのガス爆発事故を受けて、エンジンや変速機に使う特殊鋼が不足。2月の第2週、国内生産停止を余儀なくされた。それでも利益は大きく落ち込まない。

逆風が吹くのは来期。左右するのは為替と販売台数だ。

年間で見ると、対米ドルで1円の変動に対する営業利益増減額、いわゆる為替感応度は、トヨタで400億円。日産やホンダでも110億円と決して小さくない。ユーロや他通貨との比較でも円高傾向にあり、現状115円前後の水準が年間で続けば、利益には10%前後のマイナスインパクトになる。仮に1ドル100円になれば大幅減益は不可避だろう。もっとも為替だけなら、各社が軒並み赤字転落する、最悪の事態までには至らない。

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