名誉毀損 表現の自由をめぐる攻防 山田隆司著
新聞記者である著者は、昨今の日本の名誉毀損訴訟の判決に危惧を抱いている。
たとえば、政治家の不正報道をする際に、手持ちの証拠がグレーゾーンだった場合、メディアはどうするか。報道に対する「相当の理由」と呼ばれる法理を裁判所が認めれば、名誉毀損にはあたらない。しかし、この「相当の理由」の基準が、現在の司法の現場では明確でないため、敗訴を恐れて報道自体を差し控えかねないという。
これでは、国民の「知る権利」が侵されてしまう。一方には、メディアの過剰な思い込みによる「報道被害」という人権侵害の例もある。この二つの間でどう折り合いをつけるか。名誉毀損と表現の自由のせめぎ合いを考察する。
岩波新書 819円
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