スバルの4WDが雪国で圧倒的に愛される理由 この安心感は乗り手の期待を裏切らない

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SUV(スポーツ多目的車)にも注目すべき点がある。走破性を判断する指標として、路面から床下までのクリアランスを表す最低地上高がある。200mmをマークしていれば本格派の証明と言われる。スバルのラインナップを見ると、スマートな外観のXVやレガシィ・アウトバックでも200mmをマークしており、フォレスターは220mmに達する。

水平対向エンジンの採用

この数字を実現できた理由のひとつに、スバルのもうひとつのアイデンティティ、水平対向エンジンがあることは間違いない。通常ならほぼ直立しているシリンダーを水平に寝かせているので重心が低い。だから最低地上高を十分に取っても舗装路でのハンドリングが安定している。

スバルの4WDを語るときに水平対向エンジンの存在は欠かせない

しかも水平対向エンジンを用いた4WDは左右対称という、もうひとつの特徴も持つ。スバルファンでなくとも、乗ればこの低重心・左右対称は感覚として伝わるはずであり、これも人気を支えていると考えられる。

札幌では長年スバルの4WDを愛用しているユーザーに話を聞いた。丘陵地に住んでいるので4WDが欲しかったが、SUVではなくセダンが好みということでレオーネを選んだ。その後現在のレガシィまで、スバルを乗り続けている理由として、乗り手の期待を裏切らない信頼性の高さを挙げていた。

道内を移動する過程で観察すると、冬季ということもあり、東京よりスバル車の姿を多く見かけた。パトカーも多くがレガシィだった。自宅の車庫にスバル車を置く家も目に付いた。豊富な経験と独自の設計が、ユーザーとメーカーを結び付ける絆の役目を果たしていることが分かった。

森口 将之 モビリティジャーナリスト

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もりぐち まさゆき / Masayuki Moriguchi

1962年生まれ。モビリティジャーナリスト。移動や都市という視点から自動車や公共交通を取材。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。著書に『富山から拡がる交通革命』(交通新聞社新書)。

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