フランスの幼稚園は、日本とはまったく違う 「小1プロブレム」を自然と防ぐ仕組みを実感

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給食は、前菜、メイン、デザートの食事をカフェテリアでとる。前菜はサラダなど野菜料理が多かった。メインは、金曜日は魚料理と決まっていたが、その他の日は、鶏、豚、子羊、七面鳥などさまざまな肉料理だった。デザートはお菓子や果物で、チーズもあった。教師とは別のスタッフが子どもの給食の世話をするので、教師はしっかり昼休みがとれる。

公立幼稚園では、色つきのサインペンや絵の具、ノートなどが幼稚園に用意されていた。制服も指定の体操着もない。公立小学校と同様に、給食代は所得に応じた金額を支払う。また、コオペラティヴという任意の援助金を年数回、支払った。

日本の幼稚園は、遊び中心の風潮が強いが、フランスの幼稚園は「教育機関」という趣が強い。年中組からは通知表をもらうし、落第もある。教師も、優しいというより厳しい。

幼稚園の新年度が始まる9月、初日の年少組の教室では、ほとんどの子どもが泣き叫んでいた。これまで家庭で育てられていて、この日初めて集団生活に入るという子どもが泣く。これまで保育園に通っていた子どもも、今までと違う場所に連れてこられたことを察して泣く。担任教師と補助のスタッフが、抱っこしたりして一生懸命あやしていた。しかし、1週間もすると、登園時に泣く子どもはほとんどいなくなった。

年長組の間に培われる心構え

年少組とはいえ、火曜日はホールで体操、木曜日は園庭で三輪車に乗るなど、カリキュラムが決まっていた。日本の幼稚園同様、歌を歌ったり、絵を描いたり、工作したりもする。子どもたちが最初に取り組んだ作品は、「ハリネズミ」。茶色く塗った粘土に、折ったマッチ棒を刺して作る。クリスマスにはガラスの器を青と金色で塗ったろうそく立てを持ち帰った。ハリネズミといい、ろうそく立てといい、オブジェとして飾れたり、実用性があったりして、感心させられた。

4人のピエロの絵から同じ形をした絵を選ぶなど、知育ドリル的なものも取り入れられていた。遠足では、バスに乗って農園に出かけ、動物と触れ合ったり、羊の毛をブラッシングしたりした。

年中組になると、アルファベットのブロック体を習う。学期ごとの通知表では、学習面、生活面などで評価される。「お手本どおりに単語を書ける」という項目などがあり、「できる」「助けがあれば、できる」「できない」の3段階で評価される。

年長組は、かなり小学校に似た雰囲気になってくる。日本の幼稚園では、教師が子どもと一緒に遊んでくれたりするが、フランスでは、教師は「教える」ことに集中している。休み時間と授業時間がはっきり分かれ、自由に遊ぶのは、休み時間だけ。授業中は課題に取り組む。

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