日銀は日本国に毒を盛るようなことはしない

不安は解消しないが、不安の中で相場は育つ

マイナス金利の是非については、エコノミストの意見や解説が巷にあふれ、その多くは「効少なく副作用多し」となっているが、一つだけ言えるのは、日本の経済を預かる日銀が日本国に毒を盛ることはない、ということだ。マイナス金利導入後の株安、円高は、それ以上の世界情勢の不安感から来るリスクオフがあったからに過ぎない。過剰な流動性が逆に波乱要因になってしまったのだろう。リスクオフを選択した世界の過剰資金は安全なシェルターを探して一気に動き、金(ゴールド)、米国債、そして円に来た。

効果はこれから試される。日本から出る資金もあろうし、もともと資金需要の少ない日本で、どれほどの資金活性化効果が期待できるか分からない。その他副作用と言われるものも列挙されているが、それらが副作用か、東洋医学で言う瞑眩(めんけん)現象かは、これから時間が証明してくれる。瞑眩(めんけん)現象とは好転反応とも言われ、古くから「瞑眩せざればその病いえず」と言われてきた。

展開次第では「買った者が勝つ」

さて、今週の相場だが、このところの世界株安の原因だった欧州金融不安の中、先週末ドイツ銀行が、50億ドル相当の上位債を買い戻すと発表し、株価は11.8%高となった。また、ECB(欧州中央銀行)も不良債権買い入れで、イタリア政府と協議とイタリア財務省が発表し、欧州株価が軒並み反発した。ロンドンのFTSE100の反発は5カ月ぶりの大きさで、イタリアも5%近い大反発となっている。

この流れを引き継ぎ、NY市場も銀行株を中心に買い戻しが入り、ダウは313.66ドル高の1万5973.84ドル、ナスダックは70.67ポイント高の4337.51ポイントと6日ぶりの大幅反発となった。原油先物もWTIは3.23ドル(12.3%)高の1バレル=29.44ドルと反発し、1月の小売売上高も市場予想を上回った。前日の悪材料が良い方向へ反転した一日となった。

日本株は、セリングクライマックス現象と共に変則SQの週が明け、戻りを試すことになる。多くの世界不安は解決していないが、不安の中で相場は育つ。展開次第では、昨年同様「買った者が勝つ」のかもしれない。
今週の日経平均予想レンジは1万5300円~1万6300円。

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