スーパーの裏側 河岸宏和著
スーパーの得意技の一つは売れ残り商品を売り切るノウハウにある。再加工したりパックし直したりして翌日しぶとく売り切れば、利益率はぐんと高まる。生鮮品や惣菜なら製造日も消費期限も賞味期限も店側の思いのままだ。刺身もハムも再パックすれば製造日は簡単に延ばせて、しかもこれが違法でないから困る。
著者はハム・ソーセージ、総菜、卵の工場やスーパーの現場を永年、経験した品質管理の専門家。スーパーがお客を手玉に取るあの手この手、不潔で乱雑な調理現場やバックヤードの実態、使い回し商品の見分け方などが紹介される。
肉・魚売り場のカラクリに加え「すべての偽装は卵に通じる」という卵の「裏側」が詳述されていて参考になる。卵は物流や品質管理がよほど優れているコンビニで買うに限るという助言は、意外性十分で興味深い。よいスーパーを育てるのは「安さ」にごまかされない賢い消費者だという指摘はそのとおりだろう。(純)
東洋経済新報社 1470円
詳しい紹介ページはこちら
・Amazonで見る
・楽天で見る
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら