新しい発想をしたければ「権威」になるな!

ベテランは「知識」を「儀式」に変えてしまう

新鮮なアイデアがどんどん出た。解放された彼らは、楽しそうだった。出されたアイデアは、その場で何本かの脚本にまとめられた。わくわくするような登場人物に、奇抜な設定、練りに練ったプロットができあがった。

制作チームの面々は、すぐに俳優を集めてリハーサルをし、「ちゃんと」撮影しようと言い出した。そこで私は、今回はいつもとは違った手でいこうと提案した。制作チームの面々が役を演じ、それをカメラに収めてみたのだ。そこでまた興味深いアドリブが加わり、面白いアイデアが湧き出した。

制作チームの面々は、私がロンドンに帰った後も同じようにラフなアイデアを練り続けた。やがて完成した番組が放映された。それまでのドバイの水準からは大きく外れた、ユニークな作品だった。興味深い結果は、興味深い過程から生み出されたのだ。

専門家はせっかくの知識を儀式に変えてしまう

行き詰まったときに効く86のアイデアが紹介されている(上の書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)

経験が浅いということを最大限に活かそう。初心者の視点は新鮮なのだ。素人は新しいアイデアに対して心が閉じていない。だから、できることは何でもやってみる。「ちゃんとしたやり方」を知らないのだから、ある方法論でがんじがらめになっていないのだ。何が「正しい」か知らないというのは、何が「間違い」か知らないということでもあるのだ。

専門家になってしまわないということ。権威になってしまわないということはとても重要だ。その道の大家は、常に過去の体験を参照する。一度うまくいった方法を繰り返す。せっかくの知識を、儀式に変えてしまう。豊富な専門知識は、堅固な拘束具になってしまうのだ。その道何十年のベテランといっても、実はある1年分の経験を繰り返しているにすぎない。そして、自分のやり方を脅かす新しい方法が現れたら、揉み消してしまおうとする。

あなた自身に、そしてあなたの仕事場に新しい風を吹かせるために、今日1日「あなたの仕事じゃないこと」を試してみるのもいい。仕事を交換してみると、イノベーションを推奨する環境が生まれる。いつも新しいやり方を探す。わかりきったやり方を繰り返さない。普通のやり方など捨てて、普通じゃないやり方で試してみよう。

「やり方を知っているということは、もう、それを1回やってしまったということだ。だから私はいつも、やり方がわからないことをやり続けなければならない」
エドゥアルド・チリーダ[彫刻家]

 

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