平松庚三・小僧com代表取締役会長兼社長/元ライブドア代表取締役社長(Part2)----ライブドアの2年間で5年分の仕事をしました


--13年間ソニーに勤めていらっしゃったんですよね。

はい。7年間は盛田さんが海外へ行く時の付き添いなどもしていました。盛田さんは、よく「経営者は、ネアカでないといけない」と語っていました。松下幸之助さんも同じようなことをおっしゃっていたそうですが、ネアカじゃないと絶対にリーダーにはなれません。苦しい時もネアカのふりをして、社員をだまし、周囲をだまし、究極は自分をだますのです。つねにネアカでいるのは難しいことですが、社長がため息をつき、社員にため息をつかせてはいけません。今でも「小僧com」の月次決算で赤字が出ても、つねにネアカのふりをしていますよ(笑)

--社内を明るくしようと、バレンタインに全社員へチョコレートを配ったそうですね。

はい。節分、ひな祭り、端午の節句とイベントはたくさんやりました。暗く沈んだ社内を明るくするのも社長の役割です。

--混乱が落ち着き始めたのはいつ頃でしょう。

上場廃止となった2006年4月くらいでしょうか。まず、外部の識者を入れた勉強会を開いたりして、社内外に対してコーポレートガバナンスやコンプライアンスを徹底しました。

--ガバナンスやコンプライアンスは、上場企業と未上場企業とでは大きく違いますよね。

全然違います。東証マザーズやナスダック・ジャパンができた頃は、証券会社が一人前ではない会社を無理やり上場させたこともあり、法令順守違反の問題が増加しましたよね。僕もライブドアの一件で、ガバナンスとコンプライアンスの重要性は完全に体に入りました。ただ、ガバナンスやコンプライアンスは徹底しているけど大赤字、という経営はしたくないです。企業は、株主からお金を投資してもらってビジネスをしているのですから、利益を出さないといけない。

--ライブドアのコアビジネスも、そのスタンスで取り組まれたのでしょうか。

売り上げのほとんどがポータル事業の広告収入でした。事件後は広告主がみんな逃げてしまって一時は売上が9割も落ちました。残ってくれた広告主(パチンコ店と消費者金融)には今でも感謝してますね。それでもなんとか、約2年で単月黒字化しました。

ライブドアの社員はすごい連中だとつくづく思います。
 
 今振り返ると5年分の仕事をしたなと思います。いろいろな意味でエキサイティングな2年間でした。


(写真:尾形文繁)
ひらまつ・こうぞう
 1946年北海道生まれ。アメリカン大学(Washington,D.C.)コミュニケーション学科卒業後、ソニー株式会社入社。ソニーで13年間勤務した後、アメリカン・エキスプレス副社長、IDGコミュニケーションズ社長、AOLジャパン社長などを歴任。2000年にIntuitジャパンのCEOに就任。2002年、MBOにて米国親会社から独立、社名を弥生株式会社に変更、同社の代表取締役社長に就任。2004年、全株式を売却してライブドアグループ入り。2006年1月、株式会社ライブドア社長就任。2007年4月、社名をライブドアホールディングスに変更、代表取締役社長就任。2008年1月に人生の後半戦を楽しむ「人生のエンターテインメントパートナー」としてアクティブなシニアを応援する小僧com株式会社代表取締役会長に就任。

■CEOへの道は、エグゼクティブ向けの人材会社・リクルートエグゼクティブエージェント主催のセミナー「Road to CEO」との連動企画です。

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