平松庚三・小僧com代表取締役会長兼社長/元ライブドア代表取締役社長(Part4)--雇われ社長は走りながら修理してくれと必ず言われます

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平松庚三・小僧com代表取締役会長兼社長/元ライブドア代表取締役社長(Part4)--雇われ社長は走りながら修理してくれと必ず言われます

■CEOへの道は、職業としての”社長”を選び、第一線で活躍するプロによるトークセッション。将来、経営層を目指すオーディエンスに、自らの経験とノウハウを語る。

--平松さんは、キャリアの相談は誰にするのですか。

個人的なキャリアに関する決断は、基本的には誰にも相談しません。事後報告はワイフと読売新聞の渡邉恒雄さんにはしますが、大切な案件ほど人には相談しないですね。一度だけ、僕をIDGジャパンに導いたヘッドハンターの橘・フクシマ・咲江さんには、「クビになって裁判沙汰にするとどうなるのか」といった相談をしたことはありますが。

--もしも外資系企業からオファーがあったら、まずどういうことを考えればよいでしょうか。

本当に現職を辞めたいのかどうか、自分を変えたいのかどうかを考えることですね。外資系企業に転職すれば、たいがい35%くらいは給料が上がります。でも、転職しなければ3~5%しか給料が上がらない時代に、それだけ給料が上がること自体、おかしいと思わなくてはいけません。

--給料が上がる分だけ厳しい世界だということですか。

はい。日本には480万社以上の会社がありますが、80%の会社が赤字です。IPOバブルの際、証券会社におだてられ、実力もないのに起業して、結局夜逃げした人や、ステークホルダーを裏切った人もたくさんいますよね。世の中には、コントロールできることとできないことがあるのです。経営をしていると、転がってきた案件がコントロール可能なオポチュニティなのか、コントロール不可能なリスクなのか、パッパッとプライオリティをつけて見極めなければならない局面に何度も直面します。人生も同じです。見極めが甘いと、オポチュニティなのに逃してしまったり、オポチュニティだと思って手を伸ばしても崖から落ちてしまったりします。

--機会をつかむ極意は何でしょう。

ただ給料が上がればいいなどと、次のステップだけを目指してはいけません。ヘッドハントの話がきたとしても、自分の夢を実現するにあたって使える内容なのかということを考えるべきです。夢といっても、いつかJリーガーやミュージカルスターになりたいといったような、漠然とした夢ではありませんよ。自分の手が届く、具体的な夢や人生プランを持つことです。

また、自分を客観視できるかどうかも重要なのではないでしょうか。たいていの人は、目標・戦略・実行案・実行・評価といった過程を軸にしてチェックを行いながら仕事を進めますよね。この作業を自分の夢や人生に対しても行うことが大事だと思います。僕はいつも、「これは遅れているな」「ここが甘かったな」と、人生プランの進捗状況をチェックしています。

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