広告主の皆さん、調子に乗っていませんか アメリカの広告マンたちが告白する不満
「クライアントは、オフィスで昼食時間にミーティングを予定しても、代理店向けに昼食を用意してくれなかった」と、代理店のデジタル担当役員は語る。「われわれが腹をすかせながら説明をしている目の前で、ゆうゆうと彼らは昼食を取るのだ」。
さらに眉をしかめるようなエピソードを、別の代理店は教えてくれた。とあるブランド担当者が、はじめての会合で、チーズバーガーを注文するからメニューを見せろと言ってきたというのだ(代理店での会合では食事が無料で提供されると思い込んでいたらしい)。これは珍しいことではない。複数の代理店役員によると、クライアントのこのような行動は、驚くほど日常化しているという。
遅刻もある。「提案のミーティングに、クライアントの幹部が20分遅刻した。しかし、その人は謝罪せず、われわれの提案が終わる前にその場を後にした」と、上記のデジタル役員は語る。
もっとひどい事態もある。望まれて当然の基本マナーが守られないのだ。「大きなプレゼンテーションの終わりに、クライアントは『ありがとう』と言わない」と、ある代理店のプレジデントは言う。「自分たちがクライアントで、報酬を支払うからといって、そのように振る舞っていいわけではないのに」。
「代理店の元関係者が、しばしば最悪のクライアントを作り出す」と、ある役員は分析する。そのような元関係者は、代理店内部について詳しく、操り方を知っているのだ。「常態化していないが、ときたまいる。われわれを『殺そう』とする何かだ」。
独断でフィードバックする「若手」
また、クライアントの駈け出しの若手には、上司に伺いを立てず、独断でフィードバックを伝えてくる者がいる。
「若手は、自らのボスの方針と矛盾する指示を代理店に対して行ってしまうことがある。だが、それがボスの知るところになると、その若手は『代理店がそうしろと言った』と、責任をなすりつけるのだ」と、あるCEOは不条理を嘆く。「われわれが、その若手の指示を丁寧に実行し、結果、上司の怒りに火をつけたとしても、若手は沈黙するしかしない。だから、われわれが上司をなだめるハメになるのだ」。