米国の保護主義化が世界の保護主義化をもたらす


分断される日本企業のサプライチェーン

このように世界的な景気後退が深刻化する中で、自由貿易の旗手であるアメリカが保護主義化することで多くの国が保護主義化の動きを見せ始めたとも言える。

アメリカのバイ・アメリカンで直接日本企業が影響を受けることはないが、その影響が他国に広まり、自由貿易制度が後退すると世界にサプライチェーンを広げた日本企業には多大な影響が生じることになる。特にアジア諸国には工場などを立地しており、部品への関税の引き上げなどがあれば、ただでさえ非常に苦しい経営状況にある日本企業へのダメージはきわめて深刻なものになるだろう。

FTAの推進を

日本は世界的な自由貿易を守らなければならない。

そのためにも、WTOを推進するだけでなく、自由貿易協定(FTA)も、より戦略的に、貿易高が大きな国と締結する必要がある。日本がFTAを締結している国は、ASEAN諸国、メキシコ、チリなど11カ国・地域だが、それらの国との貿易額は日本の貿易総額の15.9%でしかない。日本は、貿易額が多い地域とのFTA交渉が進んでいない。中国・香港、アメリカ、EUなどこれらの国/地域を合わせると貿易総額の半分以上を占めるが、まだ交渉の端緒についていないものがほとんどである。日本政府は保護主義化への備えとしてもFTAを推進する必要がある。
 

■日本の貿易総額に占める国・地域別割合(2008年)

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