雇用はなぜ壊れたのか 会社の論理VS.労働者の論理 大内伸哉著
利益を追求する「会社の論理」と、権利を守る「労働者の論理」の二つが雇用問題の中にある。経済の激変で両者の調整が一段と難しくなったが、どうすればよいのか。
社内不倫や恋愛を論じた「法と道徳」、格差で話題の「正社員と非正社員」など、会社をめぐる11のテーマを労働法の研究者が論じた。二つの論理を「いったりきたり」して、著者は明確な答えを示さない。どちらを重視するかで結論が異なるためだ。
日本の雇用では「二つの論理の絶妙なバランスが保たれていた」と、著者は指摘する。しかし貧困と不安定な雇用が社会問題となる中で「労働者の論理」が強まる傾向にある。結論を急がずに「冷静な判断が必要」、と呼びかける。
ちくま新書 777円
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