REIT市場が土壇場に、公的資金か合併再編か《不動産危機》

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 賃貸業は不動産業の中では比較的業績は安定し、日銭も入る。REITの資金繰り破綻は海外でも珍しい。ニューシティも住宅の平均稼働率は93%と高く、資産のキャッシュフローは安定していた。業界内からは「資金調達の保証がないまま大型物件にコミットしたリスク管理、経営の問題」などの声も多い。上場銘柄数が多くなれば経営力に劣る企業が出てくるのも不思議はない。だが、「あんなに突然、破綻されてしまっては怖くて何も買えない」(銀行関係者)という声が出るように、J‐REIT初の破綻によって投資家の疑心暗鬼は一気に強まった。

「銀行にはスポンサーのブランドではなく、本業の賃貸事業がしっかりしている点を見てほしい」。ある運用会社の社長はこう訴える。確かにこれまでREITが業績悪化する場合、リファイナンス(借り換え)による調達金利上昇や資金繰りのための物件売却に伴う損失など原因は財務面にあった。ところが一部のREITでは、その堅調だった賃貸事業にほころびが見え始めている。

みずほ証券の石澤卓志チーフ不動産アナリストは「中型のオフィスビルや一部の地方、エリアの住宅でキャップレート(還元利回り)の上昇が顕著だ」と指摘する。今後はキャップレートの上昇、鑑定評価の下落により減損会計の適用に追い込まれ、分配金を減少させるREITが出てくる懸念も高まってきた。

新生ニューシティは再編の軸となるのか?

第二の破綻を回避すべく政府は昨年12月15日に「住宅・不動産市場活性化のための緊急対策」を発表。日本政策金融公庫の「危機対応円滑化業務」を活用した資金繰り支援を打ち出した。だが支援策はまだ実効性を問う段階にはない。資金繰りが深刻さを増す中で、政府に対して追加支援策を求める声が出ているのはこのためだ。ただ、「苦しいREITを一律に救済するといった安易な支援策はモラルハザードにつながる」との批判もあり、支援先の絞り込みや目利き役の設置などが実行に向けた課題となる。

そこで再生に向けたシナリオとして期待されるのが、市場の自律回復力、市場メカニズムを生かした再編だ。信用力に問題を抱えたREITが整理・統合されれば市場全体の信頼感の回復、活性化につながる。合併にはキャッシュを使わず成長を実現できるメリットもある。

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