不動産不況でも地価が上昇 北海道伊達市の街づくり効果

不動産不況でも地価が上昇 北海道伊達市の街づくり効果

3月下旬に国土交通省が発表した地価公示は、全国平均価格が3年ぶりに下落し、不動産不況の実態があらためて浮き彫りになった。それだけに際立ったのが、住宅地地価が4年連続で上昇した北海道伊達市の存在だ。

「(伊達市の地価上昇には)官民での着実な街づくりがある」(国交省・地価公示室)。人口約3.7万人の伊達市では、2002年から「ウェルシーランド構想」を推進。道内でも雪が少なく比較的温暖なため、高齢者を中心に移住の流れが以前からあった。この動きに着目して「人の誘致と生活産業の創出を図ってきた」(伊達市役所・住んでみたいまちづくり課)。仕様や管理条件など市独自の認定基準を設け、06年には民間の不動産業者が同認定を受けたシニア向け賃貸住宅を開始。現在2棟65戸で、入居者の約7割を市外(道内・道外)からの移住者が占める。市認定の郊外型住宅でも、申し込みの9割が市外経由となっている。事業前の基礎調査を市が行い、民間による事業化後にはPRなどの形で支援する官民一体化の仕組みが具現化したことで、近隣市町村からの視察も増えているという。

ただ転入超過の一方で、伊達市は自然動態の影響で05年度をピークに人口は漸減している。その傾向をどこまで抑制できるのか。今後も街づくりの効果が注目される。

※写真はウェルシーランド構想から生まれた高齢者向けの乗合タクシー

(井下健悟 =週刊東洋経済)

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