偽善の医療 里見清一著
日本の病院が患者を「患者さま」と呼ぶようになったのは、厚生労働省が「患者の呼称は様を基本とすべし」という通達を出したからだそうだ。現役の臨床医である著者はこれを「偽善」と喝破する。医療がサービス業になれば医療従事者の士気は下がり、やがては職業倫理が消滅すると。
著者によれば今や患者の当然の権利とマスコミがあおるセカンドオピニオンも、現実には医師も患者も疲弊させるだけ。ほかにも病名告知やインフォームドコンセント、ホスピス、病院ランキング等々、世間的には良識とされる医療にまつわるさまざまな行為に対し、時に挑戦的な言葉をぶつけながら本音でありのままに語り、現代医療をめぐる問題を提起する。
新潮新書 735円
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