「二人っ子」が欲しい!中国人のホンネと現実 ネックの教育資金は祖父母のサポートが頼り

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SNSにおいても、ホットな話題であった。微博(Weibo:中国版twitter)などでは、新番組が放送されるたびに、子供の「全国後援会」が作られ、どの子がかわいいか、どの子の教養が高いかなどのディスカッションで盛り上がった。

しかし、「番組を観て自分も○○のような子供が欲しい」「子供服まで高級ブランドばかりですごい」など「表」のうらやましさ以外に、もう一つ興味深い「裏」話題もあった。一人っ子政策だった当時に、有名人の大半は、二人の子供を持っていたことだ。番組に参加した中国大陸出身の「パパ」は12名、番組撮影の際すでに二人の子供を持つものは8名、3分の2も占めた(著者が資料に基づき推計)。

視聴者たちは、一人の子供しか連れていない有名人の「隠している」もう一人の子供の写真までネットに晒した。当初は「一人っ子政策の違反行為じゃない」「罰金すべき」という非難がでたが、その後「パパ」たちの説明などから、子供たちが香港やアメリカで生まれたため戸籍制度で問われない「外国人」であることや、「パパ自身も中国大陸以外のパスポートを持っているかもしれない」が明らかにされた。

「なんだ。やっぱりそうだよね……さすがセレブ、だからこそ二人の子供をもつのだ。われわれ一般庶民にとって、考えられないぜいたくなのだ」とつぶやく。つまり、深層心理では二人っ子を持つ家庭がうらやましくうらやましくて仕方がないのだ。

「多子多福」と「子女双全」

中国では、子供が多い家ほど繁栄する(「多子多福」)、男女の子供を持つ家庭(「子女双全」)が幸せだと昔から思われている。女の子を意味する「女」と男の子意味する「子」を合わせば、「よい」意味の「好」字になる。したがって、このような家族を「好字になれた(幸せな)家庭」と呼ばれている。

現在、出産年齢を迎えた一人っ子世代の親は、「たくさん子供を生む」時代に生まれ、兄弟が多い。彼らは、助け合う親戚がいたほうが良いと実感している。それに比べ一人っ子の子供は寂しくかわいそうだと思っているので、二人の孫が欲しいわけである。一人っ子世代自身も、兄弟がいることに馴染みがないが、海外ドラマ・映画で、二人の子供がいる幸せそうな家庭をみている。日本に関しては、女性は大学を卒業しても出産後に専業主婦になるケースが多く、子どもを2~3人を生みしっかり育てながら、女としての美しさをキープし、家庭的で美しいという印象を持っている。

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