「二人っ子」が欲しい!中国人のホンネと現実

ネックの教育資金は祖父母のサポートが頼り

つまり、自分より上等な暮らしをしている幸せ(そう)な先進国の人々は数人の子供を持ち、自国でも二人っ子家庭や「好字家庭」になれるのはセレブの特権だと思っている。彼らの潜在意識には、「憧れの幸せは二人っ子を持つこと」があるような気がしてならない。

しかし、彼らに「ではあなたも産んだら」と尋ねると、「いやいや、お金持ちじゃないから無理」「セレブじゃあるまいし、ちゃんと育てる自信がない」と言い返される。二人っ子政策を推進しようとすると、何がいちばんのネックになるのだろうか。

それは、教育だ。

子供には最高のエリート教育を

「尊師重教」は孔子時代からの思想。中国人の親に「子供にいちばんおカネをかけたいところは?」と尋ねると、「教育! 絶対に惜しまない」と判を押したような返答になるだろう。私は最近3歳の娘がいる北京在住の80後である張さん(仮名)に子育てに関してインタビューした。親にマションをもらい、夫婦年収約360万円(普通の中所得層)の家庭。

夫婦は「妊娠したとわかった時から、最高の教育、最高の体験をさせることを決めた」と話す。先進国の理念や製品が優れていると思うため、越境ECや海外にいる友達に頼み、イギリスの子育ての書籍・知力開発のおもちゃ、日本の粉ミルク、哺乳瓶、おむつはもちろん、内容が面白く、文字がわからなくて意味が通じる絵本を購入。2歳から北京のディズニー英会話教室に通わせ、母親が絵を教える。視野を広げさせるため、祖父母と一緒にアメリカ・日本などへの旅にも出させる。

幼稚園も英語教育で著名な私立に決めた。私立幼稚園の費用はなんと、1カ月1万元(約18万円)!1年間の幼稚園費用は夫婦年収の過半になる。

公立幼稚園にしないのかと尋ねると、「今から英語教育をさせないと、スタートラインで失敗する」「良い学校は、良い教育を受けられるだけでなく、まわりのクラスメートの質も全然違う。育ちのいい友達ができてほしい。これも絶対将来に影響を与えるから」……

なるほど!「自由主義」「わがまま」だと思われていた80後は親になると、教育に関する考え方は昔と変わらないのである。

80年代以降に生まれた若者は、大学への進学率の向上もあり、大学を卒業しただけでは、良い就職先―安定・良い収入・社会地位が高いところ―に就職できない。欧米有名大学の留学経験か国内の有名大学卒、大手企業のインターンが基本条件だ。しかし、国内の有名大学に入るのは、進学率の高い高校に入らないと無理。良い高校に進学するには良い中学校、良い小学校に入ることが必要であり、良い幼稚園はそれらのスタートとなる。

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