「大阪環状線の新車」ドア数減らして大丈夫? ホームドア導入に弾みでも混雑対応に不安
これをクリアする方法は2つある。その1つは、車両のドア数を統一すること。実は、JR東日本も少し前までは東海道本線や東北本線・高崎線などで、4ドア車と3ドア車が混在していたが、現在では4ドア車に統一された。
混雑緩和などの目的ももちろんあるが、ホームドアの設置に向けてのハードルを1つクリアしたともいえる。
そして、JR西日本がホームドアの導入をにらみ、今まさにその方法を採ろうとしている。2016年度から導入を開始する大阪環状線用の新型車両「323系」がそれだ。
ドアの数を減らして統一
現在、大阪環状線では103系や201系が主力を担っている。国鉄時代に製造されたこれらの車両は、4ドア・ロングシートの純然たる通勤用車両だ。これに対し、関西本線や阪和線から乗り入れてくる快速列車は、快適性を重視した転換クロスシートの3ドア車。「ドア数の異なる列車が走ることで、整列乗車の妨げになっている」(JR西日本広報)ため、車両更新に合わせて統一することにしたという。
2014年12月に発表された323系のイメージ図によると、外観は同社の最新鋭車両である227系や225系、521系などと同じデザインの3ドア車。
ただし、混雑の激しい通勤路線であることを考慮し、車内はロングシートとなっており、中でも最も混雑する8号車(大阪駅での天満寄り)は座席数を減らして出入り口付近のスペースが拡大されている。
同社では、2016年度から2018年度にかけて168両を投入、大阪環状線内の103系・201系をすべて置き換える予定だ。これによって、大阪環状線のホームドア導入計画が一気に進むことも考えられる。
ここで気になるのは「大阪環状線の混雑を、3ドア車で捌ききれるのか」という点だ。言うまでもなく、関西有数の混雑路線である大阪環状線は、朝ラッシュ時の主要駅で乗降にかなりの時間を要している。3ドア車の導入決定に先立ち、同社では朝ラッシュ時に4ドア車の運用を3ドア車に変更し、どの程度影響が出るかという「実験」を行った。その結果、3ドア車を導入しても影響がないことが分かったという。
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