インド発スーパー耐性菌が日本でも発見、インド国内では報道されず

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インド発スーパー耐性菌が日本でも発見、インド国内では報道されず

インドから帰国し独協医科大学病院(栃木県)病院に入院していた患者から、抗生剤で治療しにくいスーパー耐性菌が検出されていたことがわかった。

医療体制や衛生面の不安から、インド赴任を避けたがるビジネスマンは少なくない。また、企業としても駐在員の健康は非常に気になるところだ。

インドでは腸チフス、赤痢、コレラ、ウイルス性肝炎、マラリア、狂犬病などに気をつけなくてはならないが、予防法も治療法も確立されている。しかし、スーパー耐性菌にはどう対応すればいいのだろうか?インド駐在員にとっても、駐在員を派遣している企業にとっても深刻な問題だ。

そこで、インドの事情に詳しい株式会社ネクストマーケット・リサーチの須貝信一代表取締役に、インドの医療事情について聞いた。同社はインド、南アジアの企業・金融・経済情報の提供のほか、インド進出支援コンサルティングなどを行っている。

--インド進出日系企業の駐在員が赴任する上で本社側人事部が気にすべきこととして、医療についてお聞きします。報道されている通り、インド発スーパー耐性菌(NDM1)が日本でも発見されました。前回のインタービューでもインドの医療事情についてお伺いしましたが、今回もいろいろ問題がありそうですね。

スーパー耐性菌(スーパーバグ)の件で、日本人で感染者が出たことは現地で報道されていません。このスーパー耐性菌については、先月中旬に多少報道されたのですが、これは、イギリスの『The Lancet(http://www.thelancet.com/)』という医学誌が今回の耐性菌について発表したことにインドが抗議したという内容です。

イギリスで今回の新型耐性菌保持者が多数見つかり、その患者の多くがインド、パキスタン及び周辺国からの帰国者だったことから「インドに特定して原因とすること」、「新しい菌の名前にNewDelhiを略してNDとつけたこと」に対してインド政府が医学誌を非難したという内容でした。

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