日本はマシ?「コロナ規制で暴徒増」欧州の混迷 ドイツは規則順守を拒否する人の刑務所を開設

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暴徒化したデモ参加者に壊されたオランダのファーストフード店の窓ガラス(写真:AP/アフロ)

新型コロナウイルスの感染拡大に追い打ちをかける英国や南アフリカ発の感染力の強い変異種が猛威を振るう欧州。ワクチン接種の遅れもあり、経済回復にも暗雲が立ち込めている。

人口100人当たりのワクチン接種回数は、アメリカの10.6回、イギリスの16.1回に比べ、欧州連合(EU)域内では、スペイン3.9回、イタリアが3.7回、ドイツ3.4回、フランス2.8回(Our World in Dataより、2月3日時点)と少ない。

世界に先駆けて接種段階に入ったアメリカのファイザー社とドイツのバイオンテックの共同開発したワクチンだけでなく、イギリスのアストラゼネカをはじめ、アメリカのモデルナが開発したワクチンなどのEU供給は大幅に遅れている。EU域内で製造されるワクチンがEU域外に供給されていることにいら立ったEUは輸出規制を打ち出した。

先進国の中でも経済の落ち込みが大きい

EU経済はコロナ感染拡大を抑え込めず、ワクチン接種の遅延もあり、今年の力強い経済回復が予想される米中に大きく後れを取りそうだ。EU統計局(ユーロスタット)が発表した2020年10~12月期のユーロ圏のGDP(速報値)は、前期比0.7%減、2020年通年では6.8%縮小した。

一方、アメリカは通年で3.5%減にとどまり、中国は通年で約2.3%のプラス成長を確保した。

欧州のエコノミストたちは、EUは世界の先進国の中で経済回復が最も遅く、ユーロ圏が今後数カ月で再びリセッション(景気後退)に入るとまで予想している。EUは、大規模な雇用助成金などの雇用維持制度によって短期的に大量失業者を出していないが、今年は航空産業などで大幅な人員削減が計画されている。

しかし、何といってもEU域内の問題は、コロナ対策や景気回復に対する政治不信が高まり、政府の要請に国民が従っていないことだ。世界的に見てもロックダウン(都市封鎖)や夜間外出禁止措置、大型店舗の封鎖や入店制限、違反した場合に高額の罰金を科すなど厳しいコロナ対策には、国民の理解と協力が不可欠だが、それ自体が危機にさらされている。

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