日本はマシ?「コロナ規制で暴徒増」欧州の混迷 ドイツは規則順守を拒否する人の刑務所を開設

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第2次世界大戦以降、初めて夜間外出禁止令が出されたオランダでは1月下旬、3夜連続で政府に対する無許可の抗議デモが行われた。

欧州各国で抗議デモが頻発している(写真:ロイター/アフロ)

逮捕者は400人を超え、アムステルダムやロッテルダムなどの都市では、店舗の窓ガラスが割られ、略奪行為が起き、路上に駐車していた車も放火された。

政府はデモ隊の一部暴徒化した者たちを「悪党」と呼んで非難した。

一方、隣国ベルギーではオランダの抗議デモを受け、当局が厳重な警戒態勢を敷いていた。それにもかかわらず、首都ブリュッセルの2カ所で1月31日、飲食店閉店や夜間外出禁止などの措置に抗議する無許可のデモが発生。一部が爆竹を投げるなど暴徒化したため警察発表で488人の身柄を拘束した。

オーストリアの首都ウィーンでも1月16日、新型コロナウイルス対策の制限措置に抗議する1万人規模の首相の辞任を求めるデモが行われた。昨年3月以降、3度目のロックダウンで国民生活に制限が加えられているオーストリアでは、生活必需品を扱う小売店以外の店舗やコンサートホール、スポーツセンター、学校も閉鎖された。参加者は「政府発表の感染死者は信じられない」「強権発動は中国と同じ」などと非難した。

昨年はドイツやイタリアでも、政府の厳しいコロナ対策に抗議して、何度も無許可の抗議デモが起きている。理由はロックダウンや夜間外出禁止令だけでなく、マスク着用の義務化で違反者に罰金を科すことなどに合意できない人々が抗議している。

フランスで高まるマクロン大統領への不満

一方、フランスでは毎週末、さまざまな抗議デモが断続的に行われている。2月4日には職場を問わず、雇用・労働環境の改善を求める抗議デモが全国規模で行われた。1月23日にも同様の目的のデモに加え、コロナ禍で解雇された従業員によるデモ、1月30日には総合治安法案に反対するデモも行われた。

そんな中、フランスで来年春に予定される大統領選挙で、2017年の大統領選でマクロン現大統領と決選投票を戦った極右・国民連合(RN)のマリーヌ・ルペン党首(52)への期待が高まっている。マクロン氏のコロナ対策、経済政策への不満が追い風になっている形だ。

1月27日付の仏日刊紙パリジャンが明らかにしたハリス・インタラクティブの世論調査結果では、再選に意欲を見せるマクロン大統領と、出馬が予想されるルペン氏が前回と同じように決選投票に進んだ場合、ルペン氏に投票すると回答した人は48%と、マクロン氏の52%に肉薄している。

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