売り手市場でも「相思相愛」の就活生を囲う策 学生に「関わってくれた」との印象を残すべし

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最近の就活では、ネットをはじめとする様々な情報や就活支援を活用することで、学生がかなり綿密な傾向と対策をとれるようになっています。さらには、就活生にスタイリストがつくご時世です。スーツからネクタイ、靴、カバンに至るまで、きっちりスマートにきめてくる就活生も珍しくありません。そもそも定職についていない学生がスタイリストを雇い、高級スーツに身を包んでいること自体おかしなことですが。

とはいえ、就活生が見た目の印象をよくしようとするのは、ある意味当然のこと。重要なのは、企業側が「見かけだけの学生」に騙されないよう、気をつけることでしょう。

「ハロー(ヘイロー)効果」をご存じでしょうか。ハローとは"後光"のこと。これは、物事の評価を決定する際、その評価の基準が、ある要素に大きく影響を受けてしまうことを言います。具体的には、学歴や容姿などが挙げられます。

「一流大学を出ているなら、優秀に違いない」「体育会系に所属していたなら、体力も気力も十分あるだろう」「スマートで洗練された服装から、きちっと仕事をこなしてくれるだろう」……。こんなふうに、特定の要素に影響されて、他の部分も同様に高い評価をしてしまうのです。

しぐさや言動を観察できる手段を

反対に、ネガティブな要素がある場合も同様の現象が起きます。これは一種の「認知のゆがみ」です。採用活動でも、できるだけ表面的な印象にほかの評価までもゆがめられないよう心がける必要がありますね。

採用時には、基礎的な社会性や能力を認めると共に、本質的な人間性を見抜くことが何よりも重要になってきます。ただ、この「人間性」、数値化したり、短時間に見極めたりすることは、非常に難しいものです。

人事担当とはいえ「人選」のエキスパートであることは少なく、ともすれば個人的な好みに偏った選別になってしまう可能性も否めません。そのため、選定に自信がないという理由で、採用を専門の業者に丸投げしているという企業も増えています。

しかし、これから一緒に仕事をしていく仲間を探すわけです。そのためには、face to face が大切。表面的な情報だけでなない「何か」をつかむには、対面するチャンスを逃さないようにしてください。

会社説明会を行うにしても、一方的に説明するだけでなく、相互交流のやり取りができるワークショップを取り入れるのが効果的です。参加しているという意識が学生の気持ちを動かしますし、採用側も学生のさまざまなしぐさや言動を観察することができます。

実際私がかかわってきた企業の中でも、人材育成に積極的で成長を続けているところでは、社員研修にトップの方々、人事の方々が必ず同席します。事務的なフォローや研修内容の精査が目的ではありません。社員がどのような態度で参加しているのか、詳細に見ているのです。

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