1万7500円割れは最初の押し目買いの機会だ 一気に顕在化した株価下落と円高リスク
一方、サウジアラビアとイランの国交断絶は、原油市場ではむしろ売り材料視されている。OPECの主要産油国である両国の産油政策は正反対であり、これが減産合意を遠のかせているとの連想である。地政学的リスクが供給不安につながり、これが原油相場を押し上げるといったことは、今は起きづらい。供給障害が顕在化しない限り、原油急騰は起きないだろう。
しかし、実際に供給障害が起きれば、原油相場は瞬く間に急伸し、50ドル程度まで上昇するかもしれない。原油安を悪者にしてきた株式市場は、今度は原油高に苦しめられることになる。原油安の恩恵で株価は高値を維持できていたが、今後は原油高による企業の活動コスト・製品の生産コストの上昇が業績を圧迫する。今は原油相場がどちらに転んでも株価には悪材料だが、今後の原油高は、石油・資源株や一部の商社株を除いてはネガティブインパクトしかない。
5月末までは厳しい市場環境が続く可能性
今後の日本株はドル円が底打ち反転するまで、下落基調が続くだろう。日銀による株価下支え策への期待が高まるが、市場が考える以上の施策を打ち出すのはきわめて困難であろう。そうなると、政治対応しかない。「衆参ダブル選挙」と「消費増税先送り」という禁断の策を講じることで、政権の求心力と株価の回復を一気に進めようとするかもしれない。
しかし、それでも方向性が明確になるのは5月ごろか。米利上げ後のドル円や株価の変動パターンからも、5月末までは厳しい市場環境が続く可能性がある。それまでは、とにかくディフェンスをしっかりすることが肝要だ。うまく対処できれば買い場が到来し、年後半以降の反発局面で果実を得ることができる。
日経平均株価の25日移動平均線の10%下方乖離は現時点で1万7200円。1万7500円から1万7000円までの押し目を買うつもりで、スタンバイしておきたいところだ。ドル円108円で日経平均株価は1万6000円、102円で1万4500円まで調整する可能性がある点は、常に念頭に置いてほしい。
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