「梅田北ヤード」に期待と不安が交錯、難航必至か?関西最大級の再開発《NEWS@もっと!関西》
大阪・キタの大型プロジェクトがついに動き出した。
JR大阪駅北側の広大な再開発地域「梅田北ヤード」(敷地約24ヘクタール)。このうち先行区域とされる約7ヘクタールの開発を手がける三菱地所やオリックス不動産など12社で構成する、KMO設立準備委員会は12日「ナッレッジキャピタルトライアル2009」を開催した。ロボット技術者育成のアカデミー構想コンセプトなど「技術と感性の融合」をテーマとした15のコラボレーション企画などを堂島リバーフォーラム(福島区)で一般公開。
KMO設立準備委員会は今回のイベントで、ナレッジキャピタルの認知度を高める狙い。最先端技術の研究施設などを集積させる「ナレッジキャピタル」は先行区域の中核施設だが「どのような施設なのかわかりにくい」といった指摘が少なくなかった。そこで今回のイベント開催の運びとなった。
テープカットセレモニーの冒頭で挨拶に立ったKMO設立準備委員会の梶原健司委員長は「ナレッジキャピタルは知的情報や人材を集める場。様々な交流を通じて新しいビジネスやライフスタイルを提案していきたい」と語った。
ナレッジキャピタルに対する周囲の期待は高まるが、依然具体性に欠けるのも事実。この日行われた建築家の安藤忠雄氏や日本総合研究所の寺島実郎会長ら識者による公開ディスカッションも、「北ヤードは中国などアジア圏の“うねり”のような力を惹きつけるものにしなければならない」など抽象論に終始した感が否めなかった。会場には溢れんばかりの見学者が詰め掛けたが、識者への質問は一切なく、主催者側の意欲が空回りしているかの印象だ。
そもそも、北ヤード開発は進行が遅れている。先行区域の開業は当初の2011年春から後退し、12年秋以降になる見通し。着工時期を今年の秋以降としているため、再開発予定地は現在更地のまま。隣接する地域で11年春の開業を目指し、急ピッチで進められているJR西日本の「新北ビル」工事とはあまりにも対照的だ。