日産「ノート」の真価 女性責任者を初起用
日産自動車は9月3日、コンパクトカーの新型「ノート」を発売した。ガソリン車ながら、燃費性能は25・2キロメートル/リットルとハイブリッド車(HV)並みの低燃費を実現。価格は145万円と、HVより15万~25万円安く抑えた。
現在の国内市場はHVや軽自動車ばかりに売れ筋が集中しているが、国内販売担当の西沢正昭常務は「9月からその状況は変わる。HVだけがエコカーではない」と言い切る。ノートの低燃費モデルは自動車取得税と重量税が免税となり、「ランニングコストまで考えても、HVよりもお得」(同)。9月にも終了となるエコカー補助金による反動減が懸念される中、日産の国内販売を下支えする切り札的存在だ。
ど真ん中の直球で勝負
ノートはグローバル・グロース・モデル(GGM)という重要な役割を担っている。
GGMとは文字どおり、世界市場で販売台数が多い、日産の主力車種のこと。開発の優先順位が高く、開発資金や人員を集中投入しており、米国で6月に発売されたセダン「アルティマ」など数車種が該当する。日産社内でGGMを明確に位置づけたのは、約4年前。車の開発には4~5年かかるため、GGMとして開発された車が今、市場に投入されるタイミングを迎えている。GGMは「各市場のど真ん中を狙って、直球勝負する車」(志賀俊之COO)。だからこそ、日本にはコンパクトカーを投入する。ノートは国内で初めてお目見えするGGMだ。